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自分史の簡単な書き方:「年表法+感情法=年表感情法とは?」(就活生向け)

自分史の簡単な書き方:「年表法+感情法=年表感情法とは?」(就活生向け) 記事

はじめに

自分史を振り返ることは、自己分析や将来の進路決定に役立つ重要な作業です。しかし、一から文章で書き始めるのは難しいものです。そこで、今回は「年表感情法」という具体的な手法を紹介します。この手法を使えば、自分史を振り返ることがより具体的かつ意義深いものになるでしょう。


なお、「年表感情法」は自分史ラジオの聞き手であるヤッシーによる造語ですので一般的な呼称ではありません。

就職面接

就活生が自分史を書くメリットとは?

就活生が自分史を作成することは非常に重要です。過去の経験や成長を振り返り、自分の強みや将来の目標を明確にする手助けになります。自己分析や自己アピールを行う際に役立ち、面接やエントリーシートに自信を持って臨むことができます。

自分史を通じて、自己PRを効果的に行う素材を見つけることで、面接や選考の場面で良い印象を与えることが可能になります。自分史作成は、自己理解を深め、自分のアピールポイントを押さえ、自信を築くための重要な手段です。
将来のキャリアに向けた準備において欠かせない要素となるでしょう。

分かれ道

最初から文章で書くのはNG

自分史を振り返るという作業に取り掛かる際、最初から文章で書き始めることは避けるべきです。なぜなら、最初から文章で書き始めようとすると書き初めの部分や文章の表現方法に迷うことが多く、ここに時間を浪費することは非効率的です。

また、過去の出来事や感情をただ文章で羅列するだけでは、バラバラでまとまりがなくなってしまい、自分の歴史をより深く理解することができません。文章に起こす前に、具体的な手法を用いて情報を整理し、感情や思い出を思い起こすことが重要です。

この記事では、「年表法」と「感情法」という二つの手法を紹介します。年表法では、自分自身の人生を時系列に整理し、客観的に起きた出来事や重要な要素を明確にします。感情法では、当時の感情を振り返り、それに関連するエピソードや思い出を深掘りします。

具体的な手順は以下の通りです。

⚫︎おおまかな年表に事実を記載する (第1章)
⚫︎年表を眺め、当時の感情を記載する (第2章)
⚫︎好きなことや当時の興味関心など、ディティールを追加する(第3-5章)
⚫︎現在の自分のパーソナリティと照らし合わせる
⚫︎エントリーシート(ES)や履歴書など必要な形式にアウトプットする

これらの手法を使うことで、自分史を振り返る作業がより具体的かつ意義深いものになるでしょう。

では、まずは年表法から始めてみましょう。

第1章: 自分史の作成方法:年表法で過去を整理する

自分史を整理するための第一歩は、過去の出来事を時系列で整理することです。年表を作成することで、自分自身の成長や学びを明確にすることができます。具体的な行動としては、以下の手順で進めましょう。

紙やスプレッドシートを用意し、自分の身に起きた出来事を年ごとにリストアップします。
各出来事には、その時の自分の年齢や印象に残っている事柄を追記します。

年表を眺めながら、その出来事が自分の人生にどのような影響を与えたのかは後ほど考えるので、まずは淡々と羅列することが重要です。
必要に応じて、エピソードや関連する思い出を追記していきます。

最初から1年単位で書き出すことは難しいので、
・小学校入学前
・小学校低学年
・小学校高学年
・中学生時代
・高校生時代
・大学生時代
 とおおまかに時代を区切って、印象に残っている出来事を書き出すのが良いでしょう。

年表法で書き出すのはあくまでも客観的事実に絞ってください。最初から詳細な文章を書こうとするよりも、おおまかな全体像を作って段階的に次のステップに移るようにしたほうが効率的ですし、段階ごとに達成感を得られるのでオススメです。

とはいえ、年表作成時には「あの時こう思った」「こう感じた」という感情が湧き上がってくると思いますので、一旦メモをして残しておくと次のステップである感情法の記入時に役立ちます。

テクニック:年表に当時のニュースや流行を加える

世相はその時代を大きく反映します。時代背景を年表に加えることで、自らがどのような環境下にいたのか、そのニュースや流行は自分とどのような繋がりがあり、どんな影響を与えたのかを思い出すきっかけになります。

その事件が起きた時に自分はどう感じたか?その時に自分は何をしていたか?を思い出すことで年表が埋めやすくなります。時代ごとの流行語や流行した楽曲の記載も、当時の自分を思い出すきっかけになることが多いのでおすすめです。

テクニック:部活動や習い事を記入する

学校内や学校外で「自分が何をしていたか」を客観的に記述することにより、充実した年表に一歩近づきます。部活動に所属していなかった人は、放課後に何をしていたかを思い出して記述しましょう。「ブラブラしていた」「ゲームをしていた」「動画を見ていた」という漠然とした表現にとどまらず、「どこに行っていたか?」「何というタイトルのゲームをしていたか?」「どんな動画を見ていたか?」など具体的に細部を思い出すことで連鎖的に記憶が呼び起こされることでしょう。

校舎とサッカーゴール

テクニック:家族との出来事や、仲の良かった友達を記入する

趣味や嗜好は自分以外の誰かが関わっているケースが多いものです。家族旅行の思い出や、仲の良い友人の遍歴、友達との遊びの内容、誰にどのような影響を受けたかを記載することで、自分一人で成長したのではないことに気づくことも多いはずです。

小学生友達

自分史年表のテンプレート

年表法で自分史を作成方法するには、テンプレートを活用すると簡単です。マイクロソフトが「自分史年表」を提供していますのでぜひ活用してください。
マイクロソフト 自分史年表(PowerPoint版)

 【作成例】

第2章: 自分史の作成方法:感情法で感動を記録する

自分史には感動や喜怒哀楽を織り込むことが重要です。年表法で記載した項目の当時の感情を思い出し、それに関連するエピソードを振り返りましょう。具体的な手順は以下の通りです。

年表法で書き出した各出来事の項目ごとに、当時の感情を振り返ります。喜び、怒り、悲しみ、驚きなど、具体的な感情を想起してください。
感情を思い出したら、その感情が引き起こされた理由や状況を具体的に書き出します。
エピソードを広げるために、当時の環境や他の関係者の反応を思い出し、追記していきます。
第1章で作成した年表に、当時の感情の折れ線グラフを付け加えることも効果的です。

テクニック:ポジティブな感情を優先すること

感情を思い出すとは言っても、今思い出しても辛くなるようなネガティブな感情を無理に記載する必要はありません。楽しかったこと、嬉しかったこと、好きだと思った感覚など、ポジティブな感情を中心に記述するようにしましょう

テクニック:写真の活用

各時代ごとの写真を年表に貼り付けることによって、当時の感情を思い出す手掛かりになります。家族や友達に協力してもらって、あなたの昔の写真を貰うのも良いでしょう。

第3章: 好きなこと・興味を書き込む意義

自分史には、過去に自分が好きだったことや興味を持っていたことを書き込むことが重要です。好きなことから得た学びや成果は、自分に合った進路の選択や将来のキャリアにつながる可能性があります。以下の手順で進めましょう。

好きだったことや興味を持っていたことを具体的に書き出します。
それらにどのような時間や労力を費やしたのか振り返り、具体的に得ることができた経験や成果を思い出してください。
その経験や成果が自己成長や現在の趣味嗜好にどのような影響を与えたのか考えてみましょう。

「好きだったこと」が思いつかない場合は、自分が今までに他人より多く時間とお金を使ったと思える事柄を思い出すと良いでしょう。

第4章: 人生のターニングポイントを振り返る

人生のターニングポイントや重要な決断は、自分史に書き込むべきです。それらが自分の進路や人生に与える影響を考え、具体的な行動に繋げましょう。以下の手順で進めます。

人生におけるターニングポイントや重要な決断を振り返ります。転機や変化をもたらした出来事を思い出してください。
その出来事が自分の進路や人生に与えた影響を具体的に書き出します。
もし現在進路を決める際に迷っている場合は、過去のターニングポイントから学びを引き出し、将来の方向性を考えてみましょう。

テクニック:ターニングポイントが思いつかない場合

ターニングポイントが思いつかない場合は、下記の視点から振り返るのも良いでしょう。

  • 何かを始めたとき、やめた時:部活、習い事、趣味
  • 生活環境の変化のタイミング:引越し、入学、卒業、受験
  • 人生で最大級の感情は何?:嬉しい、驚いた、悔しい、ショック!
  • 人との出会いと別れ:好きな人、推し、同級生、先輩後輩、先生、家族親戚
  • 褒められて嬉しかった瞬間は?
  • タイムマシーンで戻ることができるなら何歳のどのタイミング?
ターニングポイント

第5章: 自分が夢中になることの意味と価値

第3章の「好きなこと・興味」は過去の遍歴でしたが、この章では現時点のあなたが好きなことについて深く考えます。自分が夢中になっていることは、自己発見や情熱の源泉です。夢中になることには他人に嘘をついてでもやってしまうほどの魅力があります。以下の手順で、自分が夢中になることの意味と価値を考えてみましょう。

自分が夢中になっているコトや熱中しているモノを振り返ります。
そのコトやモノが自分に与えた魅力や喜び、成長を具体的に書き出します。
もし現在自分が夢中になることが見つからない場合は、過去の経験から学びを引き出し、新たな興味や情熱を見つけるためのヒントを探してみましょう。

テクニック:好きなこと・興味が思いつかない場合

いま好きなことや興味がある事柄が思いつかない場合は、下記の視点から振り返るのも良いでしょう。
・ボーッとしている時に、つい頭に浮かぶことは何ですか?
・ついお金と時間を費やしてしまうことは何ですか?
・周囲の人に、あなたが好きなことは何だと思うか?を尋ねてみるのも一つの方法です。自分のことは意外と見えてないことが多いことを知るかもしれません。

第6章: 今の自分との繋がりを考える

ここまで書いてきた年表を眺めて、現在の自分に大きく影響していると思われる出来事を2-3個ピックアップしましょう。必ずしも、他の人が経験していないであろう事柄を選ぶ必要はありません。無理に作ったユニークなエピソードよりも、心からあなたが大切だと思えるような、今振り返っても感情を揺さぶられるような出来事をピックアップするべきです。

次に、現在の自分に大きく影響していると思われる出来事を起点にして、自分の長所や特技を絞り込みます。
ポイントは、「自分では簡単だと思っているけど、苦手だと思っている人が多いこと」「自分は無理をしていないのに褒められること」です。これは、言い換えると「周囲から凄いと言われること」です。

例えば、筆者は中学生の頃に部活動をサボりたくて生徒会に入りました(褒められた例ではなくて申し訳ありません)。

筆者の通っていた中学校では毎週月曜日の朝に全校朝礼があって、そこで全校生徒の前に立って毎週の連絡事項を発表しているうちに、「人前でおしゃべりする」ということに抵抗がなくなりました。
筆者はベビーブーム時代の生まれなので3学年の合計は生徒数1000人強という大人数を抱えた学校です。
最初は毎回緊張していたので原稿を用意してその通りに読み上げていましたが、生徒会長に就任して数ヶ月が経つ頃には朝礼台の上に立ってからアドリブで一言を追加できる余裕が生まれました。


この、「人前に立って話す」という舞台度胸に関して、筆者は今でも苦痛に感じることがありません。会議やパーティーの司会だけでなく、大人数の前に立って突然スピーチをしなければならないような場面でもほとんど臆することはありません。
自分ではそれが「大したことない」と思っています。しかし、どうやら世の中の100人中90人以上は大勢の前で話すことに対して拒否反応があるようです。「周囲から凄いと言われること」は人によって違います

第7章: エントリーシート(ES)や履歴書など、必要に応じて文章にまとめる

自分史を作成したら、次は必要な形式にアウトプットしていきます。就活ではエントリーシート(ES)や履歴書に自分史を反映させることが重要です。以下の手順で文章にまとめる準備を進めましょう。

7-1 自分史の要点を整理する
自分史の年表と感情法の記入内容を振り返り、自分が強調したいポイントや特徴を洗い出します。自己分析で見つけた強みや興味関心、成長した経験などを把握しましょう。

7-2 エントリーシートや履歴書に適切な形で反映させる
アウトプット先の書類に応じて、自分史を要約・編集して反映させます。エントリーシートの場合は、過去の経験からどのような学びを得たかや、夢中になった経験が自らの志望動機とどう関連しているかを明確にしましょう。履歴書では、自己PRの部分に自分史の要点を巧みに盛り込むことが重要です。

履歴書

7-3 具体的で魅力的な表現を心掛ける
自己PRの文章は、具体的で魅力的な表現を心掛けることが大切です。単なる経歴の羅列ではなく、自分史から見つけたエピソードや感動的な出来事を交えてアピールすることで、企業に個性的な印象を与えることができます。

7-4 経験と目標のつながりを強調する
自分史の中で振り返った過去の経験と、自分の将来の目標・志望職とのつながりを強調することが重要です。過去の経験がどのように成長や学びに繋がり、自分のキャリアにプラスになるのかを明確に伝えましょう。

現在過去未来

7-5 志望している企業にアピールできているか確認
就活の応募書類は自分らしさをアピールするチャンスでもあります。自分とはどのような人間なのか、どのような過去があり、どのような努力を経て現在の自分があるのかを細かく提示できるチャンスです。そもそも就活では自分がどのような人間なのかを伝えることが大切であり、採用担当者に自分を深く知ってもらうことが、内定を勝ち取るカギとなります。

7-6 見直しと編集を重ねる
一度文章をまとめたら、見直しと編集を重ねてブラッシュアップします。冗長な表現や不要な箇所を削除し、簡潔で伝わりやすい文章に仕上げましょう。同じ内容でも表現方法を変えることで、新鮮な印象を与えることもできます。

まとめる際には、自分史の要点を押さえながらも、個性や独自性を活かした表現に心を配ることがポイントです。就活においては、他の応募者と差別化することが重要なので、自分らしさをしっかりとアピールすることが成功への近道となるでしょう。

以上が、自分史の簡単な書き方「年表感情法」についての具体的な手順です。自分史を振り返り、自己分析を行い、エントリーシートや履歴書にアウトプットすることで、就活において自信を持ってアピールすることができるでしょう。自分史を作成することで、将来の進路を見つける手掛かりや自己理解を深める大切なステップとして活用してください。

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第8章: 誰かに話を聞いてもらうことの効果

自分史を一人で書くことが難しい場合は、誰かに話を聞いてもらうことでスムーズに自分史制作ができるケースが多いです。話し相手から得られるフィードバックや新たな視点が自分史を豊かにすることがあります。以下の手順で進めましょう。

信頼できる人に自分史について話をし、フィードバックやアドバイスを求めます。

  • こどもの頃に好きだったモノやコト
  • 人生のターニングポイント
  • 思いつかなければ、自分の一番古い記憶から順番に

相手が興味を持って聞いてくれた部分や新たな視点をメモします。
そのフィードバックを自分史に反映させることで、より多角的な視点で自分自身を振り返ることができるでしょう。

最後に

自分史を作成し振り返ることは、人生の棚卸しとも言えます。自己理解や将来の進路に役立つだけでなく、自分自身の成長や学びを再確認する貴重な機会です。是非、年表感情法を使って自分史を作成し、過去と未来を豊かにつなげてください。

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